東京の支店で
リハビリ勤務
毎日2万歩、倉庫内を歩く日々
4月から配属された東京の支店では、物流業務に従事しました。早朝に出勤して医薬品を倉庫に並べ、重点管理が必要な品目の棚卸、配達業務などを担当していました。これまで頭脳労働ばかりでしたが、今度は肉体労働で、毎日倉庫内を2万歩近く歩く日々を過ごしました。
体調不良で自宅療養し、その最中の大震災で、完全に見失っていた自分の役割でしたが、物流業務に従事することで「難しいことができているわけではないが、誰かの役には少しは立てている自分」というものをひとつずつ取り戻していった気がします。
この時の経験は、私の中でとても大きな印象に残っています。経営側となった今では、体調を崩してしまいそうな社員や崩してしまった社員への助言、仕事復帰プランを考える際は、思考よりまず身体を使ってペースをつかんでいくことを重視しています。
その後、半年ほどして、総務部の受注担当になりましたが、もともと事務仕事が苦手で、常連のお客様からの電話注文やクレームへの素早い対応に困ることが度々ありました。そんな時には、10年前に同期入社した同僚が受注担当の先輩で、いつも助けてもらっていました。
成果を上げようと、思考優位でどうにも動きが取れなくなっていた自分にとっては、本当に良いリハビリになりました。体調が徐々に戻って来るのに合わせて、実家のタオル屋へと考え始めました。